バンドー化学

独自の3葉式ルーツブロワを開発。業界トップのアンレット様は、「地球を守ろう」のスローガンを掲げ環境問題に取り組んでいます。そのような同社が、バンドー化学の省エネNo.1のエコドライブシステム「HFD(Hyper Flat Drive)System」搭載済の製品を開発。同製品の開発経緯や現状、また将来の展望などについて、取締役 技術部長 竹田昌史様、技術開発部 副参事 加藤雅美様にお話を伺いました。

優れた技術力でルーツブロワのリーディングカンパニーに

アンレット様は1944年(昭和19年)に創業。省スペースで安定かつクリーンな空気を供給できるルーツブロワを始めルーツポンプやルーツ式真空ポンプなどの製品を開発・販売しいてます。主力製品のルーツブロワのシェアは業界トップ。同社製品は水処理施設や食品工場、化学工場などで24時間365日休みなく稼働し、私たちの生活を裏側から支えています。2008年には、優れたものづくり企業としての実力が認められ、愛知県により「愛知ブランド企業」に認定。その後も「低圧ブロワ利用によるエアブローの省エネ化」によって「2012愛知環境賞・優秀賞」も受賞しました。

竹田取締役
「当社がルーツブロワを開発した当初は、ロータリーブロワと呼ばれる回転部に注油して空気を送り出すタイプのものが主流でした。当時は産業がどんどん発展していく過程で公害問題が顕在化し、特に排水などの水質に関する規制が徐々に厳しくなる時代でした。ルーツブロワは非接触のローターを利用しているために、接ガス部に油が不要で、浄化槽などへも非常にクリーンな空気を送り出すことができ、環境への影響も最小限に抑えることができます。当社は従来の2葉式に換わり、静音性に優れ低振動の3葉式ルーツブロワを独自に開発。現在ではその3葉式ルーツブロワが業界主流になっています。」


取締役 技術部長 竹田昌史様

省エネなどの環境対応としてHFD System搭載型製品を開発

2012年頃、バンドー化学の技術者との初回ミーティングでHFD Systemの導入検討・評価をスタート。当時は、多くの工業製品が「省エネ・低燃費」を謳い、そのような製品でなければなかなか売れにくかった時代でした。アンレット様でも環境関連製品を取り扱っており、CO2削減への取り組みを始めていたタイミングでしたので、早速HFD System搭載型の製品開発に着手しました。

加藤副参事
「当社のエアブローに特化したパッケージ製品(エアブローパッケージ)などは仕様が決まっており比較的製品ラインナップ数は少ないのですが、ルーツブロワ全般では型式も多く、さらにお客様の設置環境や利用目的に合わせて、回転速度や吐出口径をはじめ多くのラインナップを用意しています。HFD Systemを搭載するためには、その多数のラインナップに対して各々に適切なHFD Systemのモデルを選定する必要があります。選定条件の入力値を調整して部品の共通化を図る設計シート計算だけでも膨大な量に膨れ上がります。搭載の際に最も苦労したのは、その点でしょうか。」


技術開発部 副参事 加藤雅美様

省エネ施策の選択肢やメンテナンスフリー性に需要あり

2016年に初のHFD搭載機を納入。開発当初は対応が必要な事案が発生しましたが、その後は不具合なども発生せず、安定稼働しています。現在の納入先で最も多いのが食品業界。食品製造時には大量の水処理が発生します。大量のクリーンな水を浄化するためには必然的に機械も大型になり、電気代やメンテナンスコストが課題となってきます。そうなるとHFD Systemが持つ特長「省エネルギー・メンテナンスフリー&長寿命」が、より効果を発揮することになります。

竹田取締役
「従来から各工場などでは、さまざまな省エネルギーへの取り組みが盛んに行われています。しかし、実際にお客様先で話しをお伺いすると、徐々に新たな省エネルギーへのアプローチ方法が枯渇してきており、そういった場合の有望な選択肢としてHFD System搭載製品への引き合いが発生しているようです。その他、メンテナンスフリーもお客様にとってはメリットが大きく非常に魅力的なのではと捉えています。さらに、狭い空間に設置している場合では特にベルト交換などの”メンテナンスの容易さ”も1つのHFD Systemの売りになります。」

技術すり合わせと市場へのさらなるベネフィット訴求がこれからの課題

エアブローパッケージではHFD Systemのラインナップ化に成功。一方ルーツブロワは導入先の使用環境や条件がさまざまななため、一品一様のカスタマイズで対応しています。バンドー化学もこれまで独自で補修需要においてHFD Systemの一品一様の対応をしてきており、今後は両社での技術の「すり合わせ」を進めて、ルーツブロワへの提供を強化していきたいと考えています。さらに、HFD Systemをあらかじめ搭載する場合と設置後の補修で設置する場合のそれぞれのメリットを、より一層お客様に知っていただくように努力していくことが必要だと考えています。

加藤副参事
「先ほどもお話ししたように、エアブローパッケージに比べてルーツブロワではラインナップを揃えることの難しさがあります。しかし今後は、真空ポンプのHFD System搭載済製品に対する引き合いが増えてくるのではと予想しています。」

エネルギー分野でSDGs達成に貢献

従来型のブロワの欠点を克服し、クリーンな空気を供給することで環境負荷を最小限に抑制。開発当時に問題となっていた環境問題の解決に挑戦したアンレット様のルーツブロワと、動力伝達における省エネルギー性とメンテナンス性を追求したバンドー化学のHFD System。この2つの組み合わせは、現存する環境問題を克服して、SDGs(=持続可能な開発目標)の達成にさらに貢献できる可能性を持っています。

竹田取締役
「環境に直接影響する水と空気を扱う機器を製造販売してきた当社は、『地球を守ろう』のスローガンの下に環境改善に取り組んでいます。その一環として取り組んでいるのが省エネルギーです。燃料電池や太陽光発電、また水素社会の実現などのエネルギー関連分野において当社の技術がさらに活用され、問題解決に貢献できるよう今後も全社一丸で取り組んでいきます。」

【編集後記】大澤 和気
三葉ルーツ式を独自開発することによってブロワ市場を制覇されたアンレット様。

今でこそ三葉式は業界標準となっておりますが、以前は二様式が主流であり、三葉式は高度な加工技術が求められたため製品化には非常に苦労をされました。そこでアンレット様は専用の加工機を作ることで高度な加工技術と低コスト化を実現し、省エネ化や環境問題に大きく貢献することで、今の市場地位を築き上げられました。

現在は「地球を守ろう」のスローガンを掲げ、次なる環境問題へ貢献する手段の1つとしてHFD systemに着目していただいております。

バンドー・I・C・S株式会社 名古屋営業グループ 大澤 和気 石塚 嗣英

バンドー・I・C・S株式会社 名古屋営業グループ
大澤 和気 石塚 嗣英

今後もバンドーとしましては、アンレット様とともに環境問題へ貢献できるよう挑戦していきます。
宜しくお願い申し上げます。

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